「私も淑女教育に協力するわね。第一問。博多ラーメンを注文する際、一番硬い麺はこの中のどれでしょう? ①バリカタ②ハリガネ③粉落とし」

「またクイズ? もういい加減にしてよ。博多ラーメンなんて知らないわ。どこの国の食べ物よ」

嫌そうに眉を寄せたレミリアに、エマは顔を寄せてこっそりと正解を教える。

「③の粉落としです。博多ラーメンは日本という国の福岡県の――」

「エマったら、教えては駄目よ! レミリアちゃん、一問目はバツね。自分で考えないと意味がないわ。その頭は飾りなの?」

「問題の意味もわからないのに、考えたってわかるわけないでしょ……」

二十問のシンシアクイズが終わったら、今度は場所をリビングに移してのファッションショーだ。

ソファやテーブルをずらして広いスペースを設けたら、四人のメイドに頼んでカーテン布で囲いを作り、簡易更衣室とする。

その中でエマは手早くレミリアを着飾った。

一着目は薄ピンクのロココ調のアフタヌーンドレスである。

袖に三連のレース飾りをあしらい、腰の後ろに大きなリボンをつけて、可愛らしく華やかだ。