あなたが私を選んだ理由に、断固異議あり!

(あんまりだよ…関係ないだなんて…)



近くの公園のベンチで、私は涙を拭った。
だけど、拭っても拭っても、涙は止まらない。
人がいなくて良かったよ。
こんな見苦しい顔、だれにも見られたくない。



(そりゃあ、私は名ばかりの妻だよ。
ただ、凡人だってだけで…言ってみれば、樹生さんの気まぐれで結婚したようなもんだよ。
でも、だからって『関係ない』は酷いんじゃない?)



もう終わりだね。
あまりにも短い結婚生活だったね。
戸籍を汚しただけだった。



お母さん達、がっかりするだろうね。
でも、仕方ないよね。
この際、両親にも事情を打ち明けようかな。
いや…やっぱりやめておこう
なんて馬鹿な娘なんだろうって、ますますがっかりさせることになるし。



そんなことより、どうしよう…
いきなり飛び出して来たから、家に連絡も出来ないよ。
スマホでも持って来たら良かった。



「なにしてるんだ、そんなとこで。」



(え…?)



顔を上げたら、そこには樹生さんが立っていて…



「……帰るぞ。」

「え…」

私は腕を掴まれ、立たせられた。
手を掴まれたまま、家の方に向って歩いて行く。



どうして?
愛人と旅行に行くくらいなら、私なんてもう必要ないはずなのに、どうして迎えに来るの?
樹生さんの気持ちがわからない。
私のことなんて放っといてくれたら良いのに。