あなたが私を選んだ理由に、断固異議あり!

次の日は日曜日。
やっぱり、樹生さんからは連絡がなかったけど、もう気にしないことにした。



律子のお母さんのお見舞いに行ったら、もうほとんど治ったとのことで、安心した。
律子の家で少しおしゃべりをして、お母さんとショッピングに出かけて…
あっという間に一日は終わった。
どうしようかと迷ったけど、多分、月曜日には川北さんが来るだろうと思ったから、結局、帰ることにした。



「ただいま…」



誰もいないことはわかってるけど、つい言葉に出して言ってみた。
当然、応える声はない。



広いせいか、なんか寂しい。
寂しさを紛らすためにテレビを付けた。



やっぱり実家に泊まってくれば良かったかと少し後悔しながら、私はふと窓からの景色に目をやった。
そこに広がるのは、キラキラと輝く街の灯り。



今でもまだどこか夢みたいだ。
いつも見上げるばかりだったのに、私はいつしか見下ろす環境になっていた。
職場からも家からも。
それだけじゃない。
私の薬指にはエメラルドの指輪
までもが煌めく。
地味な私には不釣り合いな程にすべてが煌めいて…



それは私の実力でそうなったわけじゃない。
ただ運が良かっただけ。
だからこそ、実感出来ないのかもしれないな。



そう思ったら、大好きな夜景もどこか霞んで見えた。