あなたが私を選んだ理由に、断固異議あり!





「まぁ、どうもありがとうね。」

お母さんは、新婚旅行のお土産を喜んでくれた。



「わざわざお土産を持って来てくれたの?
今日は、樹生さんもお休みなんでしょ?」

「あぁ、樹生さんは今出張中なんだ。
だから、来たんだよ。」

「そうだったの?
新婚早々、忙しいのね。
それで、樹生さんはどこに出張してるの?」

「うん…東北の方に…」

また同じ嘘を吐いた。
まぁ、バレることはないだろうけど、嘘でもいいかげんには出来ないからね。
本当に樹生さん、どこに行ってるんだろう?



「あら、大変ね。
それで、あなたはひとりで退屈だから来たのね。」

「まぁ、そんな感じかな。」

この家を出たのはつい最近だから、まだ懐かしいとかそういう想いはなかった。
樹生さんの家と比べて狭くてごちゃごちゃしてるのが、なんか落ち着く。



「お父さんは、また釣り?」

「そうなのよ。私も今日は出かけようかと思ってたんだけど、ちょっと片付けものしてたら疲れちゃって…
家にいて良かったわ。」

「うん、そうだね。」

「今日は泊っていくの?」

「うん、そのつもり。
樹生さん、もう何日か帰って来ないから。」

「あら、そうなの。
じゃあ、夜は鍋でもしましょうか。」

「うん、良いね。」

やっぱり実家は落ち着くな。
樹生さんが帰って来るまで、ここにいようかな?