あなたが私を選んだ理由に、断固異議あり!





(……ん?)



目が覚めた時、私はベッドに1人だった。



(あれ?…もう朝だよね?)



カーテンを開いたら、明るい陽射しが目に眩しかった。



「おはよう。」

「あ、おはようございます。」



居間で新聞を読んでいた樹生さんが、顔を上げてにこやかに微笑む。



「あ、昨夜は…」

「遅くなってごめんね。」

「い、いえ。私こそ寝てしまってすみません。」

「そんなこと、気にしないで。」



樹生さん、優しいよね。
でも、優しくされると却って罪悪感を感じてしまう。



(あ……)



壁の時計を見て、私は焦って洗面所に向かった。







(美味しいな。)



朝早いというのに、川北さんが
もう来ていて、朝ご飯を作ってくれていた。



私ならトーストとサラダくらいしか出来ないけど、朝から本格的な和食だよ。
さすがだね。



「じゃあ、行ってきます。」

出社は、樹生さんの車…だと思ってたんだけど…



「僕、ちょっと寄るところがあるから、今日はタクシーで行ってくれるかな?」

「え?はい、わかりました。」



タクシーで行かなくても、地下鉄で行くよ。
電車に乗ったらすぐだし、駅からもすぐだから。
私は仕方なく駅に向かった。