あなたが私を選んだ理由に、断固異議あり!





「おめでとう!」

「おめでとう!奈美!」



ピリピリとした緊張感の中、結婚式が終わった。
下見もしたけど、やっぱり本番の威圧感みたいなものは下見とは比べ物にならなかった。
私の招待客は普通の人ばかりだったけど、東條さんの側はみんながセレブだ。
しかも、数もずっと多いから、周りはほとんどセレブばかりで、なんだか花嫁の私が霞んで見える程だった。
身に着けているものもだけど、なぜだかセレブにはイケメンや美女が多いんだよね。
それは職場でも感じてたけど…



私の友達もみんなけっこう緊張してたみたい。
そうだよね。
みんなも私と似たような感じなんだろうね。
そもそも、私がここで結婚するってこと自体、ものすごくびっくりしてたもの。
来てみたら、ますますびっくりするよね。
会場はこんなに広くて格式ばったところだし、食事もウェディングケーキもすごかったし、招待客の数とかとにかくなにもかもがびっくりだよね。



東條さんやお客さんたちは、特に何とも思わないのかな?
きっと、うちがセレブじゃないってことはバレてるよね。
服だって、お姉ちゃんが着てるのはもう何年も前のドレスだし、拓郎さんのはいかにも安物臭いスーツだし、うちの両親は頑張って新調したけど、やっぱりそれなりだ。
そして主人公であるはずの私がこれだもの。
私としては最大限の努力をしたよ。
生まれて初めてエステティックサロンなるところにも行ったし、ネイルも初めてやった。
私にしては派手な、レースがたっぷり付いたドレスを着て、ヘアメイクは本職の美容師さんにやってもらった。
でも、それだけやっても、これなんだ。
普段の私と比べたら、これでも別人級に綺麗になってるんだけど、樹生さんの知り合いたちには全然敵わない。
だから、樹生さんはなんであんな冴えない女と結婚するんだろう?って思われてるよね、きっと。