「お前が同じベットで寝てんだよ? 俺だって理性揺らぐ」


その艶のある声を反芻(はんすう)する余裕は、私には一ミリもなくて……。


「歌鈴が嫌がることするかもしれないくらい」


かぁっと耳の後ろまで熱くなっていく。


「そんなこと言われても……困るよ……っ」

「あ、やば。そういう顔されたら朝から我慢出来ないかも」

「だから、蓮くんってばなに言って……」

「普通に欲情するってこと」

「……っ、いちいち言わないでよ……。蓮くんのバカぁ……」


欲情って……。

そんな聞き慣れないセリフに、動揺を隠せそうにない。

蓮くんは、本当にどうかしちゃってる。