「それ、俺のためにしてよ」 「ちょ……っ、蓮くん……」 あっという間に身体がピタリとくっつきそうになって、ドキドキと心臓が暴れ出した。 「わがまま?」 間近で顔を傾けて、容赦なく私を覗き込む。 蓮くんのシャンプーの香りがして、もう目眩が起きそうだった。 「そ、それって、花嫁修業のこと……?」 「そう。俺以外のためにそんなことするとか、めちゃくちゃ妬けるだろ」 ギュッとさらに腕に力が込められて、引き寄せられる。