花嫁修業はしっかりやるって約束をした。

だから、私が成長することが出来たら、帰国した時には私の話を聞いてほしいとお願いした。

ふたりは顔を見合わせていたけれど「わかったよ」と頷いてくれたのだった。


私のわがままかもしれない。

それでも、未来は自分で決めさせてほしいって言えるようになるんだ……。


* * *


次の日の夜はすぐにやってきた。

泣きじゃくるパパと笑顔のママを見送った後、私は荷物を持って蓮くんの家に到着していた。


「歌鈴と同棲とか、顔が崩れそうなんだけど」

「……“同居”、だよ蓮くん」


到着早々、ソファーに座る私を見て蓮くんはこの上なくご機嫌だ……。

それに、既にもう顔がニヤけてるっていうか。


今朝、学校に来る時だって私を見ては嬉しそうに笑みをもらしてたし……。

もちろんそんな蓮くんを、私は嫌だなんて思ってない。