「知ってるよー? アレでしょー? 適正な距離を保つ、ってやつだろ?」


え?

どうして小姑のようの若さんのセリフを知ってるんだろう?


「気をつけて帰りなよ? 特に可愛い子は狙われやすいからねー」


鼻唄でも歌い出しそうな口調でそう言った理人先輩は、


「──またね、歌鈴ちゃん」


ヒラヒラと手を振って車へと乗り込んでいった。


……私の名前まで知ってるって、どうして?

って、今は急がなきゃ!

気になったけど、パパを待たせるとまた捜索願いでも出しかねない!


私は再び大急ぎで家へと走り出した。