「歌鈴が知りたがってること当ててやろうか?」


すっと身を寄せて、先生に見つからないように耳打ちしてくる。


「私が知りたいこと……?」

「そ。なんで三回連続で歌鈴の隣の席になったと思う?」

「え? それは、たまたま偶然じゃ……」

「んなわけないでしょ。俺が頼んで代わってもらったの」

「なっ……!?」

「大事な子だから頼むって」


大事な子……。

その言葉に、私はすぐに反論出来なくなる。