「卒業まで待てないくらい」

「えっ!? それはパパが反対するかも……」


せめて高校を卒業してからじゃないと……


「結婚の話じゃないよ」

「じゃあ、なんの──」


──ドサッ


それは完全に不意打ちで。

視界が大きく揺れたと思った次の瞬間には、蓮くんが私を押し倒す形で上から見下ろしていた。


「今すぐ歌鈴のぜんぶがほしいって意味」

「……っ、」


欲張りなセリフに、心臓はこれ以上ないくらいドキドキしていた。