「ん……っ、」


ほんの少し唇を離して、私の表情を確かめると、またすぐにキスが降ってきた。


……蓮くんの熱が流れ込んでくる。


「まだ足りない?」


吐息混じりに聞いてくる蓮くんに、


「ぜんぜん足りない……、」


欲張りな気持ちを素直に口にすると、蓮くんの瞳が少しだけ大きくなった。


「……でも、聞きたくて。蓮くんは本当にいいのかなって」

「なにが?」

「……パパの前でああ言ってくれて、嬉しかったよ。でも、大変な思いをすることになるかもしれないし……それに、嫌なことだってきっと……」


そこで声を詰まらせた私は足元に視線を逃がす。