外はもうすっかり夜を迎えていた。

ふたりで蓮くんの家に戻って、ママに借りた花嫁修業のノートを手に取った。


「よかったじゃん。連れてかれなくて」

「うん……でもまさか海外に連れていこうとしてたなんて、ビックリだよね……っ」


パパってば、時々とんでもないことを言い出すから気が抜けない。


「そんだけ歌鈴のこと手離したくないってことだよ」

「ん……パパの気持ちは、嬉しかった」


私と向き合って、真剣にぶつかってくれた。

過保護だとか籠の鳥だとか、そう言う人はいるかもしれないけど。

全部、私のことを大切に思ってくれているから。

GPSはそろそろ外してほしいところだけど、今は素直にそう思える。