「そんな……簡単なことじゃないんだよ蓮くん!」
「もちろん、わかってるつもりです。相当な覚悟がいるって。俺にはまだ経営や経済なんて難しい話ですが、圭吾さんの著書も拝見しました」
「あんらぁ! 聞いたパパー? 蓮くん、パパの本を読んでくれていたみたいよ! よかったじゃないの!」
わざとらしいくらい高い声でママが言った。
「あの社内一不人気な旦那様の本を……!?」
……と、うっかり口が滑ったらしい若さんをパパがギロリと睨んだ。
あ……。
そういえば、いつも蓮くんは、毎晩難しそうな本を読んでいた。
学力だって中学の時に比べたらぐんっと伸びて……。
気づけばいつもトップで、先生からも一目を置かれるようになって……。



