「……あのっ、ママ!? 帰ってくるなら電話してくれればよかったのに」

「んー、そうねぇ。ママはそうしたかったのよー? でも、パパがねぇ……」


やれやれといった表情で、パパに視線をスライドさせた。


「……へ? パパ?」

「旦那様!? 顔色がひどく悪いように思えますが、医療班をお呼び致しますか!?」


ホント、パパってばどうしちゃったの!?


「いや、いいんだ若……気にするな」


パパは力なく手を挙げて若さんに断りを入れた。


「パパ……? 私、電話したんだよ? それに何度もメッセージ送って……」


私の呼び掛けにも応じない。


「すまないが、とても返す気力はなくてね」


今にもテーブルにおでこがくっつきそう。

ガックリとパパは項垂れたまま。