「お嬢様! こちらへ!」 蓮くんの家の前まで来ると、若さんが誘導する。 「私の家……?」 若さんは大きく相槌を打った。 あれこれ考える余地は一ミリもない。 久しぶりの我が家の門をくぐり、玄関までの道のりを走る。 「おかえりなさいませ、お嬢様」 変わらず迎えてくれるメイドさんに会釈して、家の中へと入った。 「あれ……」 すぐにパパとママの靴が飛び込んできた。 えっ、まさか帰国したの!? だけど、連絡一本きていない。