改めて思い返しても私が部室に行った時、糸切りばさみなんて落ちてなかった。 秋元先輩は、否定しない。 恐る恐る秋元先輩を視界に映せば、唇を噛んでひどく動揺していた。 「……え。嘘……ですよね?」 秋元先輩が私を閉じ込めたなんて。 そんなことをするなんてすぐに信じられない。 「だって、秋元先輩が……私を閉じ込める理由なんてないはずで……」 係の仕事だってひとりでやることになる。 ひとりより、ふたりの方がいいに決まってる。 「……バカみたい」 無機質なその声は私に向けられたものだった。