きっとその間、ひとり仕事に追われていたと思うと、申し訳なくなった。


「それならもういいの……大変だったけど、大丈夫だから……」


歯切れ悪く答える秋元先輩に、違和感を覚えた。

なぜだか目も合わせてはくれないし、やっぱり不快にさせてしまったのかな……と肩をすぼめた。


「じゃあ、わたしはもう行くから……」


避けられてるような気さえしたその時、



「謝るのはあんたの方じゃない?」


階段の上から降ってきた声に、私達は一斉に顔を上げた。


「蓮くん?」


不思議そうにする私の横まで降りてくる。


「なに黙ってんの? 心当たりしかないだろ」


その瞳の奥には怒りが揺らめいていた。