躊躇いがちに私の背中に這わせた手に、ゆっくり力がこめられていく。


「好きな人って。圭吾さんの耳に入ったらやばそうだけど」


蓮くんの胸の中に閉じ込められて、トクトクと心臓が音を立てる。


「頑張ったんじゃない? 」


コツンと自分のおでこを私の額にくっつけた。


「蓮くん、私……蓮くんのことが、好──」


視線が交わった瞬間、唇に感じた蓮くんの熱。

たちまち耳の裏までじわりと熱くなる。