「じゃあソファー?」


クスクス笑いながら、私の濡れた頬に触れた。


「……蓮くんが、優しいから。もっと自分のこと考えていいのに……いつも、ずっと……私のことばかり」


小さい時からずっと、そう……。


「当然じゃない? 俺の世界は歌鈴中心で回ってんの。今頃気づいたわけ?」


好きって気持ちが沁みるように胸に広がっていく。


「婚約、断ってきた……」


どうしようもなく、蓮くんでいっぱいになって。

気づけば、私は自分からその事実を告げていた。