そんな考えが過ぎった。 「蓮くん……今、いい?」 自分から伝えたくて、蓮くんに声をかけた。 蓮くんは、また難しそうな本を読んでいたみたいだけど、サイドテーブルに置いてこっちを向いた。 「なに? そんな不安そうな顔して。膝の上くる?」 クスッと笑った顔は、いつもの蓮くんで。 「膝の上はいかない……よ」 「残念」 意を決して、私はそっと口を開いた。