けど、私は急いで他の引き出しも探すことにした。
「な、ない……!」
糸切りばさみはどこにも見つからなかった。
これ以上は蓮くんを待たせてしまうかもしれないし、午後の部も始まっちゃう……。
秋元先輩にこのことを伝えようと、ドアノブに手をかけた。
「……えっ、開かない!?」
ガチャガチャッ!!
何度ドアを捻っても、完全に鍵がかかっている。
嘘でしょ……っ、どうして鍵が?
警備の人が見回る時間にしては早すぎるし、鍵をかける必要なんてないはず!
普段、鍵は秋元先輩が持ってるけど、私がここにいるのを知っていて鍵をかけるなんてことはしない。
じゃあ、なんで……?



