【完】花嫁修業のため、幼なじみと極甘♡同居が始まります



そんなことを考えながら静かな廊下を歩いていると、


「幼い頃の歌鈴ちゃんには会ったことがあるが、きっとあちらは覚えてはいないだろう」


私……の話……をしてる!?

深みのある男性の声にピタリと足を止めた。


渡り廊下の向こう側には、スーツを着た男性と理人先輩がいた。


「今はより綺麗に、さらに可愛くなってますよ。お父さんも驚くと思います」


あの理人先輩が、敬語で話をしてる……。


「ほお。そうか。それは年々圭吾の心配性が悪化するのも無理はなかろう」


はっはっはっ、と漫画の中の人みたいに豪快に笑った。