「歌鈴不足して飢えてんの」 「っ、ひゃぁ……」 みんなが見ていることもお構い無しに、私の首筋をツーと指先でなぞる。 「浮気者のヴァンパイアに触らせないように、ここに痕つけておきたいけどやめとく」 「……っ」 「歌鈴の可愛い声、誰にも聞かせてやりたくないから」 今にも溶けそうになる私の頭を撫でると、蓮くんは教室の方へと戻っていった。 狼男に扮した若さんに「近いです!!」と指摘されているその後ろ姿を見つめながら、私はドキドキが止まらなかった。