フッと笑って私の隣に歩いてくる。 蓮くんのローブがふわりと揺れた。 ヴァンパイアに扮した蓮くんは、いつもよりもとびきり色っぽく見えて。 そのせいか、さっきまでおとなしかった鼓動がものすごいスピードで加速していく。 「蓮くん……っ、休憩?」 「歌鈴の顔見に来たって言いたいとこだけど、クラスの奴と交代してくる」 「そ、そっか……」 「すぐ戻るから待ってて?」 「えと、わかった……お昼ご飯まだなのかな? それなら何か買って……って、蓮くん?」 ふいに視界に影が降りてきて、蓮くんが近くなる。