「……バカじゃないの……っ、他の女子がみんな花咲くんを好きだからって、わたしの気持ちまで勝手に勘違いしないでっ」 「へぇ。ホントに俺の勘違いなの?」 「っ、ちょっと……なにするのよ……」 すっと秋元先輩のメガネを奪った理人先輩は、顔を覗き込む。 「俺のことが好きな女子の大半はファンとしてってやつだよ。だけどもし本気で俺のことを見てくれてる子がいるんなら──」 「……きゃっ、」 ぷいっと顔を背けた秋元先輩の頬に触れる。 「歌鈴ちゃんって花嫁がいる俺でも、なびいちゃうかもね?」