* * *


それからお昼まで私は大忙しで。

ノンストップで校内を駆け回っていた。


「歌鈴ちゃんその刺繍糸多めにもらえる?」


「は、はーい!!」


「あっ! 歌鈴ちゃんごめんね! それが終わったら教頭先生の蝶ネクタイを直してもらえるかしら?」


「……わかりました!」


衣装係の仕事はハロウィンパーティーが始まってからが大変だった。

バタバタあちこち移動して、ボタンのつけ直しやほつれた裾を縫い合わせたり。

魔女の仮装をした秋元先輩とふたり、冬なのに汗ばみながら走っていた。