そこまで知れ渡ってるのだから、今さら否定しても仕方ない……か。
「やっぱりそうなんだね。でも、わたしはてっきり青葉くんかと思い込んでたの。歌鈴ちゃんとは幼なじみって聞いたし」
「幼なじみです。けど……その婚約相手はパパが決めていて」
「そっか。なんだか、青葉くんが可哀想ね」
「え?」
手を止めた秋元先輩が静かに視線を滑らせる。
「あ、これは私の勝手な思いだけど、歌鈴ちゃんのことをどれだけ好きでも、叶わないんだなぁって思って」
だから可哀想だなって……と、秋元先輩は声を沈ませた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…