「へえー。あの堅物委員長が、青葉蓮とお喋りしてんだ? 男子なんて嫌いって感じなのに、どういう心境の変化だよ」
理人先輩は不満そうに続けた。
「まっ、いーんじゃない? ふたりが親密になってくれたら、俺としては好都合だよ」
「ちょっ、ちょっと!! 理人先輩……っ、」
突然、私の肩をグイッと抱き寄せてくる。
「俺と歌鈴ちゃんも、もっと深い関係になる?」
「……な、なりませんってば!」
私は一歩後ずさりして、両手を前に突き出すと大きな声で否定する。
──その時だった。
背筋がヒヤリと冷たくなったのは。
「……っ、」
振り返れば、ジッとこっちを見ている秋元先輩がいて、ドクッと心臓が飛び跳ねる。
その視線が、私へと突き刺さった気がしたから。



