「歌鈴ちゃんの顔見に来ただけなのに、最悪すぎだろ……」 私と二乃ちゃんの背後には理人先輩が立っていた。 はぁっ、と大袈裟なくらい溜め息を零している。 そして、いつもヘラヘラしている理人先輩の顔が、今日は思い切り嫌な顔をしていて……。 「秋元が来てるとか聞いてない」 「……理人先輩、確か同じクラスですよね?」 「そ。あれ、俺のクラスの委員長」 秋元先輩を一瞥する声はだいぶ低かった。 仲が悪いのかな……?