「花咲先輩には負けますよ」 「うん。花咲くんの方が、数センチ高いかも……」 思い出したように、口元に笑みを宿す秋元先輩。 それ以上、蓮くんに触らないでほしい。 彼氏でもないのに、そんな身勝手な感情が芽生えたことに、自分自身が一番驚いた。 「わざわざ後輩のクラスに来るって、何があってこーなったわけ!?」 二乃ちゃんの当惑した呟きに、ハッと思い出したことがある。 秋元先輩は蓮くんと話したいって言っていたから。 だから昼休みにここに来たのかもしれない。