少し会話をしたあと、ポケットからメジャーを取り出した秋元先輩は、 「青葉くんの衣装、ヴァンパイアに決まりなんだよね? これは当日女子が騒ぐのが目に浮かぶね」 クスクスと笑いながら、蓮くんの肩や腕の寸法を測り始めた。 私はその光景を入口からただ見つめているだけで。 「ちょっとちょっと! いーの!? 未来の旦那をベタベタ触られてさ!?」 「二乃ちゃん、旦那って……。それに、秋元先輩は、衣装係だから……」 言いながら自分でも疑問が過ぎる。