「すごいよ、青葉くん。また学年一位だって?」


あれ?

教室の中から聞こえてきたその声は、もうすっかり聞き慣れたもので。


「え、青葉くんの隣にいるのって、秋元先輩じゃん……」


二乃ちゃんもすぐに気づいたみたい。

窓際の蓮くんの席の横には、なぜか秋元先輩が立っていた。


「これだけ優秀なら、わたしの家庭教師してもらいたいくらい」

「先輩こそ二年でトップですよね。教えてもらうなら、俺の方じゃない?」

「ふふっ。そうかもね。でも、今度本当にお願いしちゃおうかな」


胸の前で手を合わせて小首を傾げる秋元先輩は、いつもよりも数段声を弾ませていた。