「歌鈴は今、花嫁修業頑張ってるだろ? 圭吾さん達の帰国も迫ってる。だから、それを邪魔させたくない」
ポンッと私の頭に手を乗せると、くしゃりと髪を撫でてくる。
「安心しなよ。金輪際ふたりきりになんかさせないから」
自信たっぷりな声に小さく頷いた。
蓮くんがそこまで考えてくれることが嬉しくて、トクトクと胸が音をたてる。
「名村から聞いたけど、衣装係なんだろ?」
私を下からすくうように覗き込んで、問いかけた。
「うん……上手くできるかわからないけど」
「俺の衣装作ってよ」
「え? 蓮くんの、仮装イベントの……?」
「そう」
って言いながら、蓮くんの顔が近づいてきて……。