「大変だったって、そりゃあそーよ。青葉くんったら、授業そっちのけで若さんと学校を飛び出してったんだから!」


二乃ちゃんいわく、その勢いは尋常じゃなかったらしく、誰も止められなかったみたい……。



「で? 歌鈴はどっちにするか決まったの?」

「どっちって……そんなケロッと聞かないでよぉ」

「迷うことなんてないじゃない」


迷ってるわけじゃない。

それに自分の気持ちはもう自覚していてる。

私は、蓮くんが好きで。

溢れてしまいそうなこの気持ちは、誤魔化せない。


「全て吐いちゃいなさい! 楽になりたいでしょう!?」


ほれほれ!と二乃ちゃんが肩を揺さぶってくる。