「んっ、」


初めてのキスと違って、ちょっと強引で。


「力入れすぎ」


フッ、と笑う気配がしたけれど、私は強く目を閉じたまま。

到底、力なんて抜けない。


「蓮くん……っ」


僅かに空いた隙間で、蓮くんの名前を呼ぶ。


「そんな甘い声出すの反則」


キスをしたまま私の手に自分の手を絡める。


「……もう、ダメ……」


頭が回らなくて、上手く声にならない。

くらくらする。

蓮くんの熱が入り込んできて、キスに溺れてしまいそうになった。


「歌鈴」


熱のこもった甘い声で私を呼ぶ。