「ホント困る。ただでさえ歌鈴が足んないのに、そんなこと言われたら歯止めきかなそう」


蓮くんの指が私の唇をそっとなぞる。


「だいたい、こんなに独占欲さらけ出してんだからいい加減気づいてくれてもいんじゃない?」


触れられた唇が熱を持って、それだけで溶けてしまいそうになる。


「朝まで独占しても全然足んないくらい好きってこと」

「っ、ちょっと……待って……」


伏し目がちな蓮くんの表情が近づいてきて、ストップをかけようとしても、


「もう黙って歌鈴」


その瞬間、私と蓮くんの距離はゼロになって……唇が重なった。