「ダメ。考えさせて」 「蓮く……」 私の手を自分の頬に添えて、とても愛おしそうに見つめてくる。 その瞳に吸い込まれてしまいそう。 「俺がどれだけ歌鈴を好きか、一生覚えててほしいから。真剣にもなるだろ?」 柔らかな笑みに、その優しい声に、私はコクンと小さく頷いた。 私の中で次第に大きくなるこの想いを早く伝えたい。 パパとママが帰国するまであと一ヶ月もない。 だから、もっと出来ることを頑張って、認められるようになって、自分の気持ちを素直に打ち明けるんだ。