「……蓮くんは……な、なに考えてたの?」 「ん、色々」 「色々? 試験なら、いつも余裕なのに……」 「そんなのよりもっと難しいこと。頭痛くなるレベルだよ」 「えっ、蓮くん、頭痛いの……?」 熱があるわけじゃないんだよね? すると、向かい合う蓮くんの手が、私の頭を撫でた。 「歌鈴がそんな顔して心配することないから」 「……でも、すごく大事な考えごとみたいだし」 蓮くんが頭痛くなるほどのことって……。