「やっぱり寝ちゃったよね……?」


今日は波乱万丈な一日って感じだったし、蓮くんも若さんも私を探して走り回ってくれたみたいだから……。


きっとすごく疲れてるはず。

寝る前に、顔を見て「ありがとう」って言いたかったんだけどな。


私はお礼を心の中で呟いて、布団を引っ張ると、起こさないように蓮くんにかけた。


その直後──


「いつからそんな大胆になったの?」


パサッと、蓮くんの目元にあった本がベットに落ちてきた。


「っ!? 蓮くん……起きてたの!?」

「そもそも寝てないよ。考えごとしてただけ」


じゃあ、私……また引っかかったの!?