それにしても、あの若さんが蓮くんと手を組んでくれるなんて。

墓穴に埋める人とそれから逃げる幼なじみって関係だと思ってたのに、じーんと胸に熱いものを感じた。



「青葉様、念を押すようですが、デッキブラシを譲って頂くというお約束は守ってくださいね」


は、はい……?


「玄関にあるあれね? 帰ったら若さんにあげるよ。歌鈴を連れ戻したあとだけど」


今、デッキブラシって言った……?

蓮くんの家にある、若さんがキラキラした瞳で見ていたあのデッキブラシ!?


「お嬢様のためなら無条件に動きますが、それ以外は報酬を頂くのがわたしのポリシーです」


……どんなポリシーよ。