「へぇー? ふたりは犬猿の仲だと思ってたけど、お嬢様奪還のためには若さんまで味方につけるんだねー」


ふたりが一緒に現れたことは私も驚きだった。


「は? それ、あんた勘違いしてるよ」

「勘違い?」


蓮くんは私の前に立つとすぐにまた口を開いた。


「お嬢様奪還じゃない。連れ去られた花嫁を助けに来たんだよ。俺のね?」

「……は」


こんな殺伐とした中でも平然と言い切る蓮くん。

当然、理人先輩は口をポカンと開けて、


「……相変わらず、期待裏切らないな、お前」


……と、苦笑いを浮かべていた。