「わざと俺の前で歌鈴のことさらったくせに、なに言ってんの?」
「あー、ホント可愛くないねお前。いつも俺の予想遥かに越えてくるし」
ムカつく奴……と、もらす理人先輩にはお構い無しに堂々と蓮くんが中へと足を進めた。
「お嬢様ぁぁぁぁ!! ご無事ですか!?」
「……ヒッ! わ、若さん!?」
続いて飛び込んできたのは若さんで、とても尋常ではない顔面に私は二度目の衝撃を受けた。
「お助け出来ずに申し訳ありません……! お嬢様のためならたとえ旦那様のご友人であろうとも、切腹覚悟でこちらに乗り込んで参りました!」
ソファーで腰抜け状態の私を立ち上がらせてくれる。



