【完】花嫁修業のため、幼なじみと極甘♡同居が始まります



「俺はそこまで我慢出来るほど出来た人間じゃないんだよね」


囁きながら、意図も簡単に私の手を抑える。


「本当はずっと触れたかった──」


呼吸さえ忘れた私はそれ以上なにも出来ず、このまま無抵抗でいたら、キス……される、と思った。


「今だけはアイツのこと忘れてよ。俺のものでいて」

「……いや……、」


ギュッと強く目を閉じた直後──


「……無礼な真似はお辞めください! 」


廊下から響く声と大きな足音に、パッと目を開いた。


「いくら音無家に仕えている方とはいえ、この先は立ち入り禁止ですから……っ!!」


なにやら、部屋の向こうが騒がしいような……。

それに今、音無家って聞こえた気がする。


──ドタドタドタドタッ!


「……っ、!?」


──バンッ!!


突然、ものすごい勢いでこの部屋のドアが開いた。


それはもう、ドアを破壊するレベルで。