【完】花嫁修業のため、幼なじみと極甘♡同居が始まります



たとえ、そのせいでパパが悲しむことになったとしても、気持ちは揺らぐことはないと思う。

こんな状況でもふと浮かんでくるのは、やっぱり蓮くんで……。


「今すぐ婚約してくれなんて言わないよ。ただ望んでることはひとつだけ」

「……望み?」


ゴクリと喉を鳴らして、理人先輩を見つめ返す。


「いつになったら歌鈴ちゃんの中から青葉蓮を追い出せんの?」


普段よりもずっと低い声。

いつものようにヘラヘラした理人先輩はそこにはいなかった。


「ずっと会いたかったよ、俺は」

「っ、」


芸術みたいに綺麗な顔をかくんと傾ける。

シルバーのピアスが煌めいた。

危機感を覚えて、迫る理人先輩の胸をトンっと押し返そうとしたけれど……