理人先輩はどこか照れくさそうに眉を下げた。 「……ごめんなさいっ。あの時は、私ちょっと怖くて」 蓮くんのことだって毎年見る度に睨んでいたし……。 「んーん。俺もガキだったからね。好きな子を振り向かせたい一心であんなことしか思いつかなかったし。今思えば、不器用すぎだろ俺」 自嘲気味に落とされた渇いた笑い声。 「だから、今度こそちゃんと今の俺を知ってほしいって思った」 「理人先輩……」 その横顔はいつになく真剣味を帯びていた。