「離せ……っ」
「さあ、あちらでケーキを召し上がりましょう」
「お前のせいだからな……! いつもお前がくっついてくるからだ! 僕達とは違う家の子供のくせに!」
幼いながらにも、とてもひどいことを言っているんだってわかった。
蓮くんはなにも言い返すことはなく、それよりも、
「歌鈴。一緒にケーキ食べて、テラスのツリーを見ようよ」
「うんっ!」
ニコニコ笑って、怯えた私の手を握った。
「お前なんか二度と来るな! 大嫌いだ!」
それでも気が済まなかったのか、蓮くんを睨んで吐き捨てると、男の子は連れ戻されていった。
そんなことが毎年クリスマスパーティーで起きてから、ずっと苦手な男の子だった。
「嘘……まさか宝石の男の子が……理人先輩……?」
「そういうこと。歌鈴ちゃんに一目惚れして、プレゼント攻撃してたのが俺。やっと思い出してくれたねー」



