「今日、お父様と何か予定があったんですか……?」


だったら私はすぐにでも喜んで退散します!と言いたかったけど……


「そー。歌鈴ちゃんを親父に会わせたいんだよねー」

「え!?」

「ぷ。そんな驚く? 婚約すんだし、それって自然なことじゃない?」

「……って言われても。急ですし、まだ決まっていないことで……ご挨拶はまだ早いかなって」


婚約者としてご挨拶だなんて。

それに、私の気持ちの問題もある……。


「今日は諦めるよ。まぁ、親父にはどうせ近いうち会うことになるし」


婚約な話が進めばそうなるだろう。

だけど、その言葉の真意を、私はなにひとつわかっていなかった。