ヤバい……。 理人先輩の家の車に乗せられて、私は完全に逃げ道を失った。 広々とした車内にはシャンデリアがぶらさがっていて、この空間にピッタリな理人先輩は、やっぱりヘラっと笑った。 「手荒な真似して悪いと思ってる。でも、アイツは俺のことみくびりすぎ」 「アイツって、蓮くんのことですか……?」 「そう。歌鈴ちゃんはまるで俺のものって顔してくれちゃってさ? 気に入らないねー」 伏し目がちな表情で呟いた理人先輩は、まるで美しい悪魔みたい。